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手袋の二重装着

SSI対策最前線 手元からの感染対策

手袋の二重装着を推奨する理由

手術を行う際、手袋を二重に装着することにより、血液感染症に対する保護機能を高め、手袋にピンホール(パーフォレーション)を防ぎ、血液が浸透するリスクを大幅に低減することができます7

現在の外科診療では、治療中に追加の予防措置を講じなかった場合、1回の手術中に医療従事者が血液に接触する事故が発生する可能性が50%以上に達する可能性があります。このリスクは、手術時間が2時間を超えた場合に更に増加します6

手袋の破損

手術中の医療従事者が血液に接触する原因としては、主に手術室内における手術用手袋のピンホールや破損があげられます6。手袋の使用者が十分な知識を備えていない場合には、ピンホールが生じる可能性がさらに高くなり11,12、感染性が疑われる物質に長時間皮膚が汚染される恐れがあります。このような事故が発生するリスクを低減するため、リスクの高い症例を対象とする手術を行う外科チームの多くは、手袋を二重に装着する方法を採用しています。ただし、リスクの高い症例に限らず、あらゆる外科的治療を行う際には常に手袋を二重に装着することをお勧めします11,14

手袋の二重装着がもたらす長所

  • 複数の研究結果から、手袋を二重に装着した場合、患者と術者との間のバリアの完全性を維持する効果が高まることが示されています。また手袋の二重装着により、手の皮膚が血液に接触する可能性だけではなく、内側の手袋にピンホールが生じる可能性も低くなると言われています。
  • 手袋を二重に装着した場合でも、外側の手袋にピンホールが生じるケースは多く見られます。しかし、外側の手袋と内側の手袋の両方にピンホールが生じるケースはほとんど見られません。手袋を二重に装着した場合、外側の手袋にピンホールが生じた際に皮膚が血液に接触するリスクは、約87%低くなります12
  • 手袋を二重に装着した場合、皮膚に接している手袋にピンホールが生じる割合は大幅に減少します。それにより、皮膚が血液に接触する事故の件数は10分の1に減るとされています16
  • 手術中に手袋にピンホールが生じたり、破損したりした場合、感染因子が伝染するリスクが大きくなります。したがって手袋の二重装着には、手術による交差感染のリスクを減らすという長所もあります7

手袋の二重装着を推奨される人

あらゆる手術において、常に手袋を二重に装着することをお勧めします。またさまざまな第三者機関が手袋の二重装着を実施するよう勧めています。

WHO(World Health Organization:世界保健機関)

 「Personal protective equipment in the context of filovirus disease outbreak response」をご覧ください。

 「World alliance for patient safety」もご覧ください。

オーストラリア保健高齢化省 The Australian Government Department of Health and Aging

 DHA感染対策ガイドライン(2004年)*をご覧下さい。

オーストラリア王立外科医学会 The Royal Australian College of Surgeons

RACS外科感染対策方針(RACS、1998年)をご覧下さい。

手袋の破損によるリスクの把握

手術用手袋は、細菌や血液由来の病原体から使用者を保護するバリアとなります。ただし、手袋の破損事故のうち、61%~83%もの事故が気づかないうちに発生しており、それが手袋の使用者にとってのリスクとなっています47, 49

病原体は、医療従事者から患者へ、患者から医療従事者へ伝染することが判っています49, 50, 54。研究結果から、患者から細菌が直接伝染するケースの大部分は、破損した手袋を使用したことが原因となっていることが明らかになりました50

手袋が破損した場合、あるいは損傷した場合、医療従事者はC型肝炎、HIV、MRSA、グラム陰性菌、グラム陽性菌など、多種多様な病原体に曝される恐れがあります。

手術用手袋は、細菌や血液由来病原体から使用者を保護するバリアとなります。ただし、バリアが破損した場合、感染リスクは増加します。

手袋を1枚装着した場合

さまざまな研究結果から、手袋を1枚のみ着用した場合、手袋に穴が開く確率は、手術の種類や時間によって変化し、12%(簡易手術、腹部手術などの場合)から40%以上(整形外科、外傷、胸部手術など、より複雑な手術の場合)に及ぶことが判っています47,48,49

手袋を2枚装着した場合

手袋を二重に装着することにより、内側の手袋が破損する確率は大幅に減少しますが、ゼロになるわけではありません。研究データによれば、内側・外側の両方の手袋に穴が開く確率は、手術の種類や時間によって変化し、9%~18%に及ぶことが判っています 47,50,51

気づかないうちに生じている破損

手袋の破損事故のうち、61%~83%もの事故が気づかないうちに発生しておりそれが手袋の着用者にとってのリスクとなっています 47,49

装着時間が長いほど、微細なピンホールが生じ、手が汚染するリスクが増加します 48,49,51

鋭利な器具を原因とする手袋の破損事故はわずか2%未満です52

アンセルによる手袋の二重装着ガイド

有害な病原体からの保護機能を強化するためには、あらゆる外科的治療において常に手袋を二重に装着することをお勧めします。

装着法

どのサイズを組み合わせて着用するかは、着用した際に最も快適に感じる組み合わせ、すなわち個人の好みによって決まります。ただし、以下の組み合わせが、手袋を二重装着する際に最も一般的に利用されているようです。

  • 内側の手袋: 0.5大きめのサイズ
  • 外側の手袋: 通常サイズ

手袋を二重に装着する際の組み合わせ

手袋を二重に装着する際に、どのタイプの手袋を組み合わせて使用するかは、おおむね個人の好みによって決まります。ただしアンセルでは、次の組み合わせをお勧めします。

ラテックスアレルギー及び化学物質アレルギー対策の組み合わせとして

操作性をいかす組み合わせとして